飽き性なのです。ただただ、飽きるのです。困った性分です、だから、飽きても面白い奴と一緒にいるだけなのです。
だって、今残っているメンバーだって、どちらかと言うと、全員、苦手だしね、別に好きになろうとも思わないし。
それくらいでいいのです、ずっと、好きでいる必要なんてどこにもないのです。
そんなこと言ってたら、「一人ぼっちになっちゃうよ」と言う人もいるかもしれません。
でもね、日本にどれだけの人間がいると思っているんですか、自分から引きこもらない限り、東京の大都会で一人になる方が難しいのです。
思えば。
東京に上京した時。劇団を旗揚げした時。新しい事を始めようとした時。何かを守ろうとした時。誰かを裏切った時。誰かに裏切られた時。
その都度その都度、作り笑いが上手になっていくような気がしました。
『誰かの為に』が『自分の為に』ならないのなら、無理する必要なんてないのにね。
きっとね、気づかないうちに大きくなったリュックサックの下ろし方が分からなくなり、立ち尽くしてしまうことは、誰にでも起こり得るのです。
そんな時は、一度、原点を振り返るのがいいのかもしれません。いらない荷物を整理できると思いますよ。
こないだ実家に帰った時の話を書きましたが、婆ちゃんが言ってくれたことをもう一度書いておこうと思います。
『言いたいことは言わなきゃいかんとよ、アンタの人生やけんね』
なんか、その時、少しだけ救われた気がしたんですよね。
オイラの捻くれた性格の悪さは、きっと、「婆ちゃん譲り」です。ただ「婆ちゃんの優しさ」も譲ってほしかったです。
20年以上、芝居を続けてきましたが、足が悪くて遠出ができない婆ちゃんに作品を見てもらうことはありませんでした。
公演前日に、婆ちゃんの葬式がありました。公演を理由に行けませんでした。いや、行きませんでした。
東京に出ると決めた時に応援してくれたのは婆ちゃんだけだったのにね。今のオイラが東京にいるのも婆ちゃんのおかげなのにね。
本当にありがとね。
本当はゴメンナサイなんでしょうけど、謝ったりしたらどやされそうなので。
あっ、言いたいことは言えるようになったと思っていたけど、やっぱり気を使ってしまうオイラでした。
もう少し、成長出来たら、そっちに行こうと思います。
またね。
おしまい。2025・06・01
