同じ劇団員の豊島さんについて教えてください。
先輩にあたりますか？
ちょっと複雑で、座キューピーマジックとの付き合いは、私の方が長いのですが、歳は豊島さんの方が上なので、私は豊島さんを先輩と呼ぶけど、豊島さんは私を先輩扱いしています。
豊島さんぽいですね。
どうせ、ニヤニヤしていうんでしょう。
そうなんですよー（笑）。
豊島さんとは普段どんな話をするんですか？
芝居の話しかしないですね。
それ以外の話したことないかも……。
役者さんと芝居の話って、どんな話なんですか？
豊島さんとは座キューピーマジックの人なので、さっき話に出た“演技論”から実際の演技についての話もあるんですけど、理解を深めています。
例えば、「あのシーンって、こういうことだよね？」とか「この役ってこういうことだよね？」とか、そういう話をメチャクチャしていますね。
僕も豊島さんと演技の話とかしたんですけど、そういう話は全然なかったですよ。
なんだアイツ、話を合わせてるな（笑）。
豊島さんは現場のスタイルを理解しようとしてくれているので、すごく力を貸してくれたというか。
すごく話しましたし、「どんな世界観が好きか？」みたいな話をよく聞かれましたね。
「どれくらい崩すか？」、「お芝居をどのくらい固めるか？」とか。
9-Statesは基本お芝居を固めません。
最初から頑張って芝居をすると、結局最後も頑張って芝居しているので、あんまり表現に開きがない。
9-Statesは落差を大事にしていて、力を入れたり抜いたりすることで、表現に幅を持たせています。
あとは無理なく自然に見えるか。
頑張っているように見えたら格好悪いので、板の上に立ってフラットにセリフを言えることが大事だという話を豊島さんとしていたんですけど、豊島さんは固めるテンプルなんですよね。
そうなんですよ。
豊島さんは固めるんです。
でも本人は固めたい訳ではないと。
だから豊島さんに前の作品に出演してもらった時も、『ずっとじゃがりこ食べていてください』と、お願いしたんです。
あれ、メッチャ良かったです！ すごい良い演出だなって。
あと「食べるタイミングは絶対に決めないでください」って。
セリフに合わせてじゃがりこを食べるのではなくて、じゃがりこに合わせてセリフを言ってもらうようにお願いしたら、豊島さん以外にもスッと受け入れてくれて、直ぐに格好良くなったので良かったです。
豊島さんは上手ですよね。
あと、馬鹿みたいに芝居が好きなので、そこも好きです。
そうなんですよ。
だから色んなことがやれるというか、豊島さんだったら、正直本番失敗しても良いと思ってます。
それぐらい一緒に考えて、出した表現が世間から否定されても、「じゃあ次のヤツをやりましょう」って、言えそうな気がする。
もちろん成功したいけど、失敗しても次の糧になりますから。
だから豊島さんの場合、置きに行かないで良い演出ができました。
失敗したら謝りますけど、手を抜いたとかじゃなくて、僕と豊島さんの中で、次に繋がることなので、これからも付き合ってもらえるなら、僕は豊島さんに頭を下げます。
わーカッコいい。
あんまりないですよ。
こんなにベタ褒めする役者さん。
