中村太陽

中村太陽

ダンスの中では、昔と今の違いとかってありますか?

TARO

TARO

そんなに多くはないんですけど、今はTikTokとかが流行っていて、僕なんか全然知名度もないんですが、僕なりに思うことがあって。
10代のダンスも、たとえば“バレエ”から始まって、“舞”があって、それが崩れて“ヒップホップ”になったり、いろいろなスタイルがあるじゃないですか。
でも、今フューチャーされているのは、誰でも簡単に覚えられて、すぐに認識できるようなものなんです。
たとえば、手だけの振り付けとか、可愛い振り付けとかがすごく流行っています。
難しくて芸術的なダンスが流行っているかというと、正直そんなに流行ってないんですよね。
そういう本格的なダンスは、主にコアなファンが支持しています。
舞台でコンテンポラリーダンスをやっているダンサーなんかは、アスリートみたいに身体を鍛えて本気で取り組んでいるんですけど、一般的に人気があるのはやっぱり、女子高生がやっているTikTokのダンスです。

中村太陽

中村太陽

コンテンポラリーはPVしか見ないですね。
歌手の隣で踊っているやつ。

TARO

TARO

正直に言うと、劇団四季の方よりも、有名なティックトッカーでクソバズってる女子高生の方が、よっぽどお金を持っていると思います。
これって結構リアルな現実なんですよね。
格闘技でも、RIZINファイターより、ブレイキングダウンに出てくる初心者の不良たちの方が、ファイトマネーが良いって言いますよね。

中村太陽

中村太陽

ええ?

TARO

TARO

RIZINのような格闘技団体で戦っている人たちは、毎日体に気を遣って、ジムに通い、アスリートのように体を仕上げて試合に出るじゃないですか。
素晴らしいじゃないですか。
だけど、かたやブレイキングダウンの選手たちは、毎日酒を飲んで、タバコを吸って、パリピな先輩と喧嘩しているようなスタイルがフィーチャーされている。
だから、スポンサーが集まって、そっちの方にスポットライトが当たっているっていうのはリアルですね。
僕はこれも、ある意味ジャパニーズドリームとして良いと思うんですけど、さっきのコンテンポラリーの話に戻ると、やっぱりオリンピック選手みたいに毎日トレーニングを積んでいる人よりも、自分のキャラクターを上手く打ち出した人の方が、成功しているというのはありますよね。

中村太陽

中村太陽

今の話から行くと、これは頑張っても意味がないって話?

TARO

TARO

(笑)

中村太陽

中村太陽

この対談記事を読む人は、頑張らない方がいいのかな? って、なってきますけど(笑)。

TARO

TARO

いやいや、そんなことはないですよ(笑)。
ただ、テレビとか大きなメディアに出ることが、必ずしも成功の全てじゃないってことはありますよね。
ダンスの話から外れてしまったかもしれないけど、やっぱりみんなが見ている場所には、今流行っているコンテンツがよりフューチャーされている。
ダンスだったら絶対100%。

中村太陽

中村太陽

なるほど。
あれですかね。
ダンスで行こうと思ったら、海外行くしかないですかね。

TARO

TARO

そっちの方がいいと思います。

中村太陽

中村太陽

海外だったら、こっちみたいに手軽にウケ狙いの振り付けじゃなくて、ちゃんと実力勝負になるからバズらないですもんね。

TARO

TARO

そうですね。
より本物をフィーチャーしてくれるところに行けば、能力が高い人は、そっちに行っていると思いますよ。
ダンスの世界大会とかもアメリカでやったりするので。

中村太陽

中村太陽

大会には出場しないんですか?

TARO

TARO

僕は競技ダンスではないので、どちらかっていうと、ショーとかで披露するパフォーマンスをやっているから、ちょっとまたジャンルが違うんですよ。
僕はブレイクダンスとかもできないので。

中村太陽

中村太陽

できないんだ?

TARO

TARO

首の骨折りたくないので。

中村太陽

中村太陽

(笑)

TARO

TARO

体操偏差値0です。

中村太陽

中村太陽

逆に体操偏差値0だけど、ダンスはできるんだ。

TARO

TARO

できます。
体ってなんとなく覚えているものなので、ずっと動いていれば。

中村太陽

中村太陽

そういう話を聞きたかった。

TARO

TARO

本当ですか?

中村太陽

中村太陽

夢がある。

TARO

TARO

良かった! 夢のある対談が良いです(笑)。

中村太陽

中村太陽

僕もチャレンジしたいなって思ったりするんですが、今からダンサーになるのはさすがに厳しいですよね。

TARO

TARO

できますよ。

中村太陽

中村太陽

いや、膝がね……。
ランニングもできないぐらいなんですけど、それでもできますか?

TARO

TARO

マジでできますよ。
さっきも言いましたけど、EXILEとかK-POPの激しいダンスが全てじゃないんです。
例えば、太ったおじさんが手を上げて踊っている動画が流行ったら、それが正解になる。
だから、体力は要らないんです。

中村太陽

中村太陽

あぁ……体力要らないんですね。

TARO

TARO

そう、体力も要らないし、体型も面白さに変わる。
だから、僕は何歳からでもダンスはできると思ってます。

中村太陽

中村太陽

大事なのは、楽しむことですよね。

TARO

TARO

そう、EXILEとかK-POPみたいにいくら鍛えても、流行らなかったら意味がないですからね……って、また夢のない話しちゃいました(笑)。

中村太陽

中村太陽

(笑)

TARO

TARO

でも、本当にそうなんですよ!
流行らなかったら意味ないんです。

中村太陽

中村太陽

なるほど。

TARO

TARO

僕、けっこうぶっちゃけてますけど、流行らなかったら本当に意味ないんです。

中村太陽

中村太陽

いや、意味ないことはないでしょう(笑)。

TARO

TARO

(笑)

中村太陽

中村太陽

僕の持論ですけど、芸術は最高の自己満足だと思ってます。

TARO

TARO

良い言葉ですね。

中村太陽

中村太陽

流行るかどうかより、自分が満足できることが大事で。
芸術家ですって言うと格好悪い気がするけど、「好きだからやってます」って言うと、結局自己満足に行き着くんですよ。
この前、芸術とエンターテインメントの違いについて話したんですけど、どんなに鍛えて芸を磨いても、お客さんが喜ばないことってありますよね。
逆に、動いていない人がちょっと動くだけで、めちゃくちゃ盛り上がったり。
どれが答えか分からないけど、多分、お客さんが喜ぶものがエンターテインメントなんだと思います。

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