キエちゃんは、スゴくユルユルだけど、主張が強いと思います。
本当ですか? 嬉しいですね。
自分が好きなものは、ちゃんと持っている気がするんで。
普通に自分の人生を生きるよりも、台本の上で生きる方がやりやすいんですよ。
WHY?
小さい時から客観的に自分を見る癖があって、自分がどう居たらいいかを気にする子だったんですよ。
今はもう年齢を重ねて落ち着いたんですけど、台本があって、こういう人間だって分かっていた方が分かりやすくて、周りにも、「普段よりも輝けてる」と言われるんですよね。
基本を作っているという……。
今はないですよ。
でも、どこへ行くにもきちんとして、ちゃんとして、相手の人が望む私でいないといけないとずっと思っていました。
それ、キツくない?
キツかったですね。
でも一回、6〜8年くらい前に演じた役が、そんなことを考えている余裕がないくらいできなくて、大失敗な役でしたが、本番の一週間前に何かが弾けて完成しまして。
未だにそれは座・キューピーマジック主宰の田窪さんにも「アレは良かった」と、言ってもらえるんですけど、そこで気にする必要なんてないんだって思えて、そんなことしている女優は面白い芝居できないなって思って。
(笑)
それから日常も何も気にしなくなっちゃったんですけど(笑)。
なるほど。でも、キッカケってあるよね。
ありますね、人間が変わりました。
お芝居をしていて役を作る上で、大事にしていることはなんですか?
そこに存在していることを1番大事にしています。
上手なお芝居をしたくないんですよね。
とても良いと思います(笑)。
そこにいたくて、今思っていることをちゃんと乗り越えられることだったりとか、息遣いだったりとか、相手の言葉を受けてどう感じるかとか、表現するというよりかは、そこに居たいという感じですね。
そういう意味で言うと雪絵ちゃんと同じというか、今起きていることに、ちゃんと対処していくようなお芝居をしていきたいですね。
今、YouTubeをやっていて、『芝居座きえゆきえ』って言うんですけど、それは私たちの演技感を映像にしていきたくて始めました。
お芝居を綺麗に見せることより、寧ろ汚い部分を出せるように人間らしい芝居をしたいと思っています。
等身大のお芝居。
そうですね。自分じゃなくてキャラクターの等身大をちゃんと演じたい。
素敵ですね。
ありがとうございます(笑)。
9-Statesでいうと、小池首領に近い。
私、首領さんの芝居好きです。抜けてる感じが。
頑張らない感じが。
そうですそうです。
首領にも若い時があったんですけど、彼は昔からああです。
素敵なお芝居だと思います。
僕もあの頑張らない感じが好きなので、初めて会った時に「メンバーになってください」って。
やっぱり、ずっと力を入れて生きている人間なんて、そんなにいないですもんね。
そうですね。
でも、抜きの芝居だけでは成立しませんし、淳くんも最初は固かったけど、抜くところと力を入れるところのバランスを取れるようになりました。
浅賀さんとかもそうですよね。
浅賀さんもすごい抜いているように見えますけど、浅賀さんは作ってますよ。
計算で抜いてるってことですね。