9-States☆Magazine“中村太陽”率いる演劇集団・ナインステイツの情報サイト

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20周年記念公演の主役はやっぱりこの人。我等がエース瀬畠淳。普段、口数少ない彼が次回公演に込める思いや、9-Statesでの思い出についてお話を伺います。「真面目な男の真面目な対談」をお楽しみください。

こんにちは。

こんにちは。

今回は瀬畠淳くんに来ていただきました。よろしくお願いします。

よろしくお願いします。

今月の対談は、４月に公演する9-States２０周年記念公演『世迷子とカンタータ』で、主演を務める瀬畠淳くんに、どんな気持ちか訊いていきたいと思っております。

主演は浅賀さん（＊浅賀誠大）じゃなかったんですか？

一応、W主演のイメージですが、ドラマを担うのは淳くんだと思っています。
台本はまだ完全には仕上がっていませんが、最終的には２時間５分から１０分くらいの話になりそうです。
具体的な内容は劇場でお楽しみにしていだだきたいですが、今回のキャストさんたちは、いかがですか？

やっぱ、上手い人たちですよね。

だよね。
今回は今集められるベストメンバーだと思う。
持ってくる案も面白いし、色々技量とかも見せてくれるから。

駅前劇場で最初にやった『メメントモリに花束を』は、淳くん主演で出突っ張りだったけど、どんな感じだった？

俺自身、そんな拘りはない方なんですけど、やっぱり憧れはちょっぴりあったんで、ついに出れるなという気持ちはありましたね。

俺も目標にしてたんで、駅前劇場が決まったときは、「ようやく来たなぁ」って。
昔、他の劇団にいた時も同じようなことがあったけど、自分で旗揚げして来たら、違ったものはあった。

自分の劇団だと違うかも知れませんね。

前の劇団でもそれなりに喜んだけどね。
当時の主宰さんとそこで主演やっていた子と３人で、環七通りを歩きながらガッツポーズをとったりして。

青春ですね。

２０代だったからね。

駅前劇場で公演するのって、今よりも昔の方が大変なんじゃないですか？

当時は劇団の数も多かったし、お芝居やるなら下北沢、駅前劇場だったから。

ですよね。そんなイメージがあります。

だからこれまで中々やらせてもらえなかったんだけど、今はこうしてやらせていただいているので、頑張らなきゃなって。

淳くんは、多分ウチで１番主演をやってる俳優だよね。

まぁ…ありがたいことに。

周囲の人たちから、9-Statesのエース（看板役者）と言われることに対しては、どう思いますか？

えぇ……俺は、あんま気にしてないですよ。
「自覚を持て」と言われたら、すいませんなんですけど。
そんな、滅相もないって感じです。

主役の時と主役じゃない時って、違いますか？

俺はあんま意識してないつもりですけど、主演よりも主演ではない時の方が意外とやることが多い気がします。
主演の方が楽って訳ではないけど、物語の真ん中にいれば、あとは周りが導いてくれるし、流れに身を任せればいいというか。

けど僕には、淳くんがみんなを引っ張っているように見えるんだけど、心掛けていることとかありますか？

んー・・・。
引っ張れてる自覚があんまりないかも。

まあ浅賀さんにしても、浜田くん（＊浜田カオス）にしても、意外と脇をガッチリ固めてくれるからね。

そうですね。
メンバーの安心感はあります。

そういうのが積み重なって駅前劇場なのかも知れないね。

そうなんですかね。

今回は客演さんたちも粒揃いで、淳くんには客演さんたちに9-Statesの形というか、芝居のテイストみたいなものを提示して、稽古場でも率先して作っていただければ嬉しいなと思っておりますけど、淳くんが9-Statesに入ったのは、だいたい１０年前とか？

そのぐらい経ちますよねぇ……長っ！

関わったのは１０年以上だけど、なんで9-Statesに入ろうと思ったの？

面白そうだったからですかね。

どんなところが？

みんな個性がハッキリしていて、芝居も上手いし、9-Statesに入ったら面白そうって。
それで、ボヤッとですけど、やってみようかなって。

ウチに関わってくれる人たちって、ここで一旗あげようって人じゃなくて、ここなら面白い作品が作れるって思って来てくれるじゃない？
僕も面白いものを作りたいっていう気持ちが強いから、自然とそっちの方に寄っちゃって。
そこに集まってくれる人たちと一緒に、いい作品を提供できたらいいなってずっと思ってます。

４０超えて、そろそろ生活のことを考えないと大変ですね。
変わったことはありますか？

変わったことは、不安になりましたね。

腹が据わったとかではないんだね？

不安ですよ、ずっと不安ですもん。

毎日が？

どうしようって。
大丈夫なのかなって。

夢も希望もないじゃん！
これ読む人、みんな心配しちゃうから（笑）。

４０超えちゃいましたもんねぇ……。

４０超えてさ、日常生活で楽しみにしてることって何？

正直ないんですよ。

でた！　板本もそうだったんだけど、9-Statesの人ってさ。
日常生活に何もないって人が多いのよ。

無趣味なんですよね。

なんか作ろうよ！

ここ数年で、これ趣味にしたいと思ったのがバイクですね。
バイクの免許を取りたいって昔から思ってたんですけど、なんとなく諦めてて……。
もう無理かなって……。

いけるいける！
僕と浅賀さん、基本バイクだからさ。

ちょうどタイミング良く周りの人で取りたい人がチラホラいるんで、みんなで免許取りに行って、バイクを趣味にしたいなって思っているんですけど……お金掛かりますよね？

俺、何回も言ってるけど、免許取りに行くなら、免許代出すよ。

いや、免許取ってからですよ。
バイクを買ったり、あと維持費とか。

一応言っておくけど、なかなかいないからね。
「免許代、出すよ」っていう主宰。

いないですよね。

これは、俺が一緒にツーリングをしたいからだけどね。

ツーリングしたいですよね。
みんなでちょっと遠くに行きたい……。

免許代だけは出すから、バイクは買ってね。

４月の舞台が終わったら考えようかなぁ……。

9-Statesの作品の中で、１番好きな作品はなんですか？

俺は出てないですけど、「三日月にウサギ」。
俺が客観的に見て１番面白かったと感じます。
あれ好きでしたね。

あれはもう一人のウチの作家である吉﨑くんが描いた話で、僕もあの作品はすごく好き。
あの時、１２月に１つ公演「分かれ道のリテラシー」をやって、その翌月１月にスピンオフ「三日月にウサギ」をやったんだけど、吉﨑くんの脚本が全然書きあがらなくて。
吉﨑くん、飲み会好きじゃない？　彼、役者として「分かれ道のリテラシーに」に出てたから、打ち上げ楽しみにしてたんだけど、台本書けてないから「来ちゃダメだ！」って。
周りに言われて、渋々台本書いてたんだよね。

そんなことありましたね。

大変だったけど、その分、思い入れが強い作品になったよね。

なりましたよね。

もうバチバチ喧嘩したもんね。

（笑）

淳くんは「分かれ道のリテラシー」の公演の時にメンバーになったんだよね？

土曜日の公演が終わった後ですよね、確か。

詳しく覚えてるね。
確か公演が終わった後、打ち上げの途中で呼び出したんだよね。
けどほら、あの頃、僕が西日暮里に住んでて、近所のカフェで淳くんと話したんだよ。
「今回の公演でメンバーとしてやるか考えてみて？」って。
そしたら「前向きに検討します」って言ってくれたんだけど、あの時、絶対9-Statesに入らないんだろうなって。

え？

だってそこまで熱量感じなかったし、のらりくらりやってる感じだったから。
けど、ウチの浅賀さんが淳くん大好きだから、「絶対メンバーに」って。
その後、公演が始まって居ても立ってもいられなかったんだろうね。
土曜日の公演が終わる前に、返事を聞こうって話になって。
でも、公演中に聞いて断られたらテンション下がっちゃうなって心配してたんだけど、淳くんが「メンバーになります」って言ってくれて……。
その時、思ったよね。
これで9-Statesの形が変わるかもってなって。
そこから淳くんが連続で主演をやりますが、自分の中では、上手くなったっていう自信はある？

いや〜、そこまでは。
そんなんじゃ、ないじゃないですか。

変わったなってところはある？

多少は柔らかくできるようにはなったのかなとは思います。
今思えば、昔は堅かったなって。

じゃあ、柔らかくなった淳くんのお芝居を是非とも観ていただきたいですね。
一体、どれくらい柔らかくなったのかを。

そうですよね（笑）。

アンケートの質問内容に「今日の淳くんは堅かったですか？」って書こうかな。

いやいやいや。