
黒崎さんは、6回連続で9-Statesに出演してくれている方です。
今は長い長い“確変状態”の真っ只中で、投じるたびにアタリを引いてくるような勢いがあります。


華があり、嫌味のない芝居をしてくれる人です。
物語の中で手の届かないような闇を、そっと明るく照らしてくれる。
陰と陽のバランス感覚が、9-Statesの作品ととてもよく合っています。
そして、愛嬌たっぷりです。
むしろ、愛嬌しかありません。
芝居を“変える・変えない”ではなく、
その瞬間の“今”をそのまま演じているように思えます。
まるで蝶のようです。
だから稽古でも、毎回、毎回、芝居が違う。
もちろん本番も違います。


悪口ではありませんよ。
芯はブレていないので、ある意味で安定感は抜群なのです。
……ココだけの話、たまに芯を変えることがあるのは、ご愛嬌です。


黒崎さんは、自己肯定感が低く、いつもどこか不安そうにしています。
なのに、芝居になると急に大胆になる。
そのギャップが、見ていて本当に不思議です。
恰好をつけているようで、なぜか格好がつかないところが可愛い。
そして、ブサイクになることをまったく恐れていないようにも見えます。
いい意味で、フワフワと蝶のように舞っている人です。
気づいたときには、蝶々の鱗粉がふわりと広がっている。
“雅ワールド”に包まれると、そこから抜け出せなくなるんですよ。


今回の役柄は、定時制に通う主婦。
再婚してできた連れ子を、あまりにも溺愛するあまり、
気づけばモンスターペアレントに豹変してしまう——
そんな不器用な人間を、人情味あふれる温度で演じてくれました。


次の公演も出演いただけたら、7回目になります。
ラッキーセブンです。
どんな芝居を見せてくれるのか、今から楽しみですね。

