横の綱弁当が作りたい

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ドを超えたセンスは周りの人を置いていきます。

自分のセンスがピカイチだと信じ込んでいる人、気を付けてください。
アナタは誰かを置き去りしている可能性が非常に高いですよ。

さてさて、丁度10年程前に自分は凡人の帝王だと自覚したオイラですが、よく、劇中の台詞で「選ばれなかった側の人間」なんて事を書いたりしちゃいます。
ソコには憧れとか嫉妬なんかが入り組んでて、とても人間臭いセリフなんじゃないだろうか。
なんて事を勝手に思っているわけですが、それが立体的になる瞬間を見れるのが稽古場だったりします。

役者さんによって全然違う表情が浮かび上がってきます。

ああ、そう読むんだ。みたいな。
ああ、なるほどね~。みたいな。
ああ、そっち。みたいな。
まさに、フム、フム、状態です。

おっと、失礼、稽古場自慢をしたくて写真を多く載せ過ぎました。

公演は4月10日からですのでもうしばらくお待ちください。

と、最近は、お弁当にまつわるタイトルが続いていますが、稽古も終盤戦になってくると、週5でお弁当屋さんにお世話になるのです。
ありがとう、オリジン弁当、感謝してます。

では、ソロソロ本題に入っていきたいと思いますが、今回は「主張」について掘り下げていきますよ。

最近は、自分の「好き嫌い」をハッキリ伝えるのが難しい時代になったような気がします。
昔は結構、「それ嫌い」とか簡単に言えた気がするのに、今となっては嫌いと伝えるのは非常にハードルが高いと言うか、ヒマラヤ山脈を越えるくらいの勇気が必要になりました。

何故だろう、自分の「嫌い」を伝えることってそんなに大変なことでしたっけ?

時代なのか、歳なのか、色々とあると思います。
しかし、自分の思いはしっかり伝えることって大事なことですよね。
ズブズブな関係って良くないと思うんです。
ただ、オイラもこの年になってまで誰かに嫌われたくはなかったりもするので「都合のいい言葉」を口走ってしまいます。
まるで政治家です。

恥ずかしいですね、、人って。
言ってる事とヤッてる事が全然違ったりするんもんなんです。

ピカイチのセンスが備わっていれば、自分はコレで行くから黙ってろ、なんて周りに断言することもできるのでしょうけど、コレまで結果を残すことができなかったオイラは、安パイを探しまくって、周りの人の目を伺いに伺って、アレでもない、コレでもないと彷徨いまくって、最終的に「アレ?オイラは何がしたかったんだっけ?」みたいな、根本を見失ってしまう現象に毎回ぶち当たります。

なんだかんだで、旨い事やってやろう、とか、生き残らなきゃ、みたいなことが頭の片隅にあるのだと思います。
よく、役者の皆さんには「芝居を上手くやろうとする奴がスゲー嫌いです」とか「嫌われてもいいと思ってます」とか口走ってたりするので、本当に、言ってる事とヤッてる事が違ってて恥ずかしいです。

小劇場なんてモンは己の一本鎗を何処まで磨けるのかが大事なのです。
これを20年間も言い続けてきたのです。
小奇麗な幕の内弁当なんて作っても仕方がないのよっ。

それでも、幕の内弁当を作ろうとしてしまうのよ人間って。
沢山あるおかずの中に、どれかお好みのものがありますか、みたいな、安パイを探しちゃったりするのです。

でも、結局、唐揚げなの。
唐揚げ弁当が一番売れるわけなのっ。
知dってるから、皆大好き、唐揚げ一本鎗ですよ。

でも、やっぱりな~。
オイラの唐揚げだったらキツイか~、とか、己のセンスを信じきれないオイラは、色々とおかず足して結果、幕の内になってしまうのです。

最初から幕の内弁当を作りたいならイイと思うんです。
ただ、オイラの場合は、結果、幕の内弁当になってしまってるのが良くないと思うんです。

人生反省の毎日です。
若い頃にこだわりまくって作った唐揚げを弁当を何度も否定された結果なのです。

つまり、元々は、唐揚げが好きだったんですオイラ。
唐揚げ弁当が作りたかったんです。
次の公演は20周年記念公演です。

なもんで、今回は唐揚げをメインにした幕の内弁当を作りました。

てっきり、唐揚げ弁当を作ると思ったでしょ。
そんなね、馬鹿みたいに簡単に20年を無駄にはしませんよ。
捨てれるもんじゃないんですよ20年って、もうすでに色んなものを捨ててるんですよ。
今回はね、前向きな幕の内ですよ。

そもそも、幕の内弁当の名前の由来は「芝居の幕と幕の間(休憩時間)に食べる弁当」からきているらしいです。
相撲じゃないんだってさ。

間違えたよね。
本当は今回のコラムの最後は、横の綱弁当を作りますよ、って書こうと思ってたんだよ。
それで調べたら、まさか、名前の由来は相撲じゃないって言うね。
思い込みって怖いよね。

危なかったです。
僕の思い込みの主張を皆様に押し付けるところでした。

でも、まあ、いいのか。

結局、それぞれの考え方なんて基本は思い込みって思うことも沢山あったりするしね。
次回作品に登場する、「せばたじゅん」演じる主人公の西野君だって、己の主張を通そうとしたあまりに大事な婚約者の月葉が。。。

おっと、あんまり言うとネタバレって怒られるので、是非是非、西野君の物語は劇場でお確かめください。

それでは、下北沢駅前劇場でお待ちしています。

おしまい。

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