ユッキーはとても芯が強い人です。
独学の信念があるのに、演出家が求める芝居をまっすぐ追いかける。
その“強さ”と“柔らかさ”の両方を持っているのがユッキーです。

芝居の特徴は、とにかく真っ直ぐ。
正統派かと問われると、たぶん違う。
でも“真っ直ぐ”という言葉が、これ以上なくしっくりきます。

滑らかに台詞を扱い、アクションよりもリアクションを大事にする芝居を選んでいるように見えます。
その選択が、力強さの中に繊細さがあるように映っているのかもしれません。

表情がとても豊かで、瞳で芝居をしているかのように大きくなる瞬間があります。
その変化が、小劇場ならではの距離感でダイレクトに伝わってくる。
この“臨場感”こそが、ユッキーの魅力をさらに押し出しているのかもしれません。

技で魅せるのではなく、本質を突きつけてくる。
踊り子ではなく武道家のような人です。

そして、今回の座組で一番お酒が好きな人でもあります。
稽古後にふっと力が抜けて、酒に魅せられているような、
どこか危うい雰囲気をまとっている瞬間があります。
もしかすると酔拳を極めつつあるのかもしれません。
その“揺らぎ”が、彼女の芝居の奥行きとつながっているように感じます。

なんというか、今ではあまりお目にかかれない、
“昭和の小劇場”という言葉がとても似合う女優です。

今回は、前の学校で自分のクラスが学級崩壊を起こし、
転任——いわゆる“飛ばされた”新任教師の朝比奈役を演じてもらいました。

過去の傷を抱えたまま新しい環境に立つ、
その不安定な入口をユッキーは丁寧に立ち上げてくれました。

生徒たちと向き合う中で、朝比奈自身も少しずつ変わっていく。
その“成長の軌跡”が、物語の一角をしっかりと支えてくれました。

朝比奈の成長は、生徒たちだけでなく、観客の心にも静かに届いていきました。
その変化を支えていたのは、ユッキーの“真っ直ぐな芝居”そのものです。

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