ウチのメンバーの中には、畳に横になって稽古を見ていたり、
ダメ出しを寝転がって聞いているバカチンがいます。

「この姿勢が一番入ってくる」

真面目に聞いてるフリをしても、案外入ってこない。
そう言っていました。

確かに、聞いているフリをするより、
ちゃんと話を落とし込めているのであれば、
そっちの方が正しいのかもしれません。

毒づいている人は、たまに核心めいた発言をしたりします。

“真面目にやること” と “本質が見えていること”
この二つは、必ずしも一致しないのです。

器用な芝居をする人間なんてのは、
不器用なくらい真面目な生き方をしているものです。
浅賀さんも、その一人です。

いつも“不真面目”という名の仮面をつけているように見えます。

その証拠に、公演がブレすぎている日は、
「もう一回、台本読み直す」と言ってすぐ帰り、
打ち上げをサボったりもします。

きっと、打ち上げをしたい訳じゃなくて、
いい芝居を提供したいのだと思います。

本質を見失っていません。
ちゃんと、不器用に生真面目です。

柔軟性もあるんですけどね。
ただ、その柔軟性が“作られた柔軟性”すぎて、
真面目が透けて見えたりもします。

世間から見たら“天邪鬼”という言葉がぴったりなのかもしれません。

まあ、オイラからしたら、
10年に一人会えるかどうか分からない天才ですからね。
そんな天才の考えは、オイラにはよくわからないのです。

さてさて、今回、浅賀さんに演じてもらったのは、
信じていた人間に騙されて会社を乗っ取られた元社長。

悲壮感がたっぷり出そうな役を、
ポップに見やすく、そしてちょっとだけ寂しさを含ませて仕上げてくれました。

浅賀さんの“天邪鬼な真面目さ”が、役の奥にある孤独をそっと照らしてくれた気がします。

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