
9-Statesに出演してくれるのは今回が初めての、詩萌(しほう)さん。
今回、座長のチャーさんから「横綱みたいな女優さんがいる」と紹介してもらいました。


実際に会ってみると、とてもチャーミングで、底が見えない人でした。
人が努力してやっているようなことを、あっさりやってしまいそうな人。
頑張っている感じがまったく見えないのに、ノートを開けば人の100倍は書き込みがある——そんなタイプに感じました。
距離が掴めないのです。
掴んだと思った瞬間に、こちらの想定を軽々と超えてくるのです。
その予測不能さが、不思議と心地よくて、ただただチャーミングなのです。


芝居はというと————
役柄を柔軟に、そして深く落とし込むのがとても上手な人です。
思い込みや固定概念にとらわれず、キャラクターの本質をまっすぐ探し出す。
そんな姿勢がとても印象的で、理想的な役作りをする人だと感じました。


そんな詩萌さんが演じてくれたのが、工藤かごめ。
幼少期に、母親と浮気をしていたホストを彫刻刀で刺してしまい、
そのまま殺害してしまった過去を持つ生徒です。
一癖どころでは表現できない役柄を、
コミカルに、そして切なげに表現してくれました。
重さを抱えた役なのに、どこか軽やかで、
でも確かに痛みが残る——そんな“かごめ”が舞台上に立ち上がっていました。


チャーさんが言っていた「横綱みたいな女優さん」という言葉は、
稽古を重ねるほどに、その意味がよく分かってきました。
どっしりと構えているのに、動きは驚くほど軽やかで、
気づけば場の空気ごと持っていく力がある。
ぜひ、また胸を借りたいものです。

