中村太陽
板本さんが出演していない作品の中で、1番好きなのは?
 
板本こっこ
「分かれ道のリテラシー」。
DVD
で、いっぱい観せられました。
中村太陽
観せられたって(笑)。
9-Statesの雰囲気を知ってもらう為に観せたんでしょ。
実際、生で観ると変わるだろうけど。
板本こっこ
私が9-Statesの劇団員になる前の物語って、暗い話が多いイメージでした。
中村太陽
今は明るいかな?
板本こっこ
昔に比べたら。
絶望的というよりは救いがないっていうか。
 
中村太陽
B-1さんで定期的に公演していた頃は、確かに暗かったかもね。
箱庭のトリレンマとか、異常に。
板本こっこ
トリレンマ好きですよ。
舞台も暗いし話も暗い。
全部暗かったですね。
浅賀さんの表情も暗いし。
 
中村太陽
それ悪口だよ!
この対談記事を読んでさ、その作品誰が観たいと思うんだよ!
板本こっこ
面白いんですって!
中村太陽
今の話に、おもしろ要素、1個もなかったよ。
板本こっこ
(笑)。
中村太陽
僕はよく『カッコ読み』って言ってるんだけど、台本のセリフって、カッコで始まってカッコで終わるでしょ。
そのカッコの中で「喜怒哀楽を表現して欲しい」ってお願いしたんだけど、ぶちギレるところから落ちるところまでの表現をやってもらった時に、ゾッとしたんだよね。
「この人、天才だな」って。
板本こっこ
浅賀さんって普段、気持ちないですもんね。
中村太陽
気持ちがない……?
板本こっこ
私が『円』にいた時、テレビでお芝居をするおじさん俳優を生で見たことがあるんです。
お芝居をしていない時に、お話した時もあるんですよ。
その時に見た、その人たちの目って、何を考えているのか分からないんですよ。
本人は別にそんなつもりはないと思うんですけど、目を見るじゃないですか。
「え! 怖っ!」ってなるんです。
怖い人じゃないですよ。
普通の人なんですけど、浅賀さんもそれに近い目をしてるんです。
中村太陽
うん、分かる。
板本こっこ
だから多分、浅賀さんも、そんなつもりはないかもしれないけど、気持ちとか感情が0でも笑えるし、怒れるし、泣けるし。
中村太陽
浅賀さんはね、壊れてるんだと思う。
……人として。
板本こっこ
そう。
中村太陽
出会った時から天才だと思ったから、測れないのよ。
特に昔、今ほど距離が近くない時とかは、目が笑ってないっていうか、ずっと愛想笑いをしているイメージだったけど、最近は愛想笑いすらしてくれないからね。
板本こっこ
(笑)。
中村太陽
打ち上げとかも2時間くらいフラッといなくなるじゃん。
で、何事もなかったみたいに帰って来て。慣れちゃえばいつものことなんだけど、最初は心配するよね。だから客演さんも「あれ? 浅賀さんいないんですけど?」って、すげえビックリするから、「あ、大丈夫です、いつものお散歩タイムです」って。
やっぱり、ちょっと変わってるよね。
板本こっこ
でも変わってないと続けられないですよね。
だって会社の飲み会で、2時間いなくなったら事件じゃないですか?
9-Statesはそういう人たちの集まりですね。
中村太陽
散歩に行くのは浅賀さんだけだけどね。
でもまあ、よくそんな劇団に客演さんも集まってくれるなって。
感謝ですね。

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