板本こっこと9-States

中村太陽
板本の中で、9-Statesに入って6年、7年って長い?
板本こっこ
長いですけど、一個ずつの公演で考えると、短い気がします。
中村太陽
その公演の中で、1番好きな作品って何?
板本こっこ
すごい悩むんですけど、私が出演した中だと、初演のテーブル(描かれたテーブル)。
中村太陽
なんで再演のテーブルじゃないんだよ、主演だったのに。
「すごい好きだ」って言ったから板本に主演を任せたわけじゃない?
それでも初演がいいんだ?
板本こっこ
再演は再演で、違う思い入れがあって好きですけど、話としては、やっぱり淳さんがやったテーブルが、テーブルって感じがする。
観た後は、最後の曲も相俟って『生きること』について考えさせられるんだけど、よくよく考えると、すげえ胸糞悪いよな。
なんだこの話?って。
中村太陽
あれ? それ、悪口かな?
板本こっこ
褒め言葉です。
 
中村太陽
まあダークヒーローが出来上がる話だからね。
最終的にみんなを裏切る主人公っていう。
板本こっこ
何最後すました顔してんだ? あの人。
みたいな。
中村太陽
そっか。再演のテーブルは、全然違うもんね。
別に最後社長になったりしないし、自分の中で完結するから。
僕も「どっちが好き?」って言われたら難しいけど、多分初演の方は、書いてる時に病んでたんだろうなって。
 
板本こっこ
でなきゃ、あんな長いセリフ書けないですよね。
中村太陽
あれ、だいぶ病んでるよね。
板本こっこ
淳さんだって顔やばかったもん。
私、淳さん初めてだったから、こういう人なんだって思ってたんですけど、あれは、やばかった時の淳さんですよね。
中村太陽
駅前劇場さんが決まった時くらいまでは大変そうだった。
ほぼ出突っ張りで。
板本こっこ
淳さんが作品の土台になってるから、消えたら終わりというか。
淳さんがちょっとでも凹んだら、みんなワーって。
中村太陽
でも凹まないよね、あの人。
スゴいなって思う。
何考えてるか全然分かんないもん。
普段はスンってしてるけどね。
板本こっこ
淳さんは不思議。
中村太陽
ウチの劇団の芝居って、本を朗読しているみたいな長いセリフが毎回入るじゃない。
それについて淳くんに、「どういう気持ちで読んでるの?」って訊いたの。
そしたら、「大きな声で間違わないように読もうと心掛けています」って。
板本こっこ
幼稚園児かよ!(笑)。
中村太陽
けど多分、それが正解なんだろうね。
余計な感情を入れないって。
だから淳くんに訊いたの。
「芝居で取りに行こうとかは考えないないの?」って。
そうしたら、「考えないっていうか、そもそも太陽さんのセリフは、何を言っているのか分からない」って。
板本こっこ
笑。
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