
今回のゲストは豊島さんから紹介いただいた「河合雪絵さん」です。同じ劇団に所属している豊島さんと河合さん。劇団の内部のお話や個人の芝居感について色々とお話ししていただきました。中村太陽はこの対談で得た新しい芝居感を今後どう活かすのでしょうか?アナタも河合さんの芝居感をこの対談で、是非、体感してみてください。
9-States中村太陽です。
よろしくお願いします。
座キューピーマジックの河合雪絵です。
今回、同じ劇団の豊島歩さんに紹介していただいて、来ていただきました。
呼んでいただきました。

河合さんの舞台は一度拝見させていただきました。
豊島さんに紹介してもらって観に行ったんですけど、河合さん、人魚姫の朗読をされていましたよね?
あれがスゴく良くて。
僕、普段『太陽はキマグレ』というコラムを書いているんですけど、そこにも「河合さんに僕の本を読んでもらいたい」みたいな記事を書いたことがあるぐらい、素敵な女優さんだと思っていました。なので、緊張しています!
お互い緊張していますね(笑)。
朗読、超上手ですね。
そんなことはないと思うんですけど。
本当ですか? 声がいいと思って。
嬉しいです。
とてもイメージしやすくて、ずっと聴いていられますね。
僕、結構、詩を書くことが多いので、僕が書いたらどんな風に読んでもらえるのかな〜って久々に思いました。
是非、読みたいです。
メッチャ頑張る(笑)。
じゃあ、私も頑張る(笑)!
朗読する時って、どういう感じで読むんですか?
人魚姫の朗読の時は、役として読みました。
役を降ろすってことですか?
その役のままでやっていますね。
役者において、役作りで1番大事にしていることは何ですか?
台本の中にしか存在していないキャラクターを、リアルな人間として捉えてあげることです。
座キューピーマジックでは、その役の人生のWANTを考えてるところから始まります。
どういうことですか?
この人は人生で何を目標としているのか。
それは自覚はあってもなくても、深層心理的であっても同じです。
例えば、人はみな幸せになりたいとして、もう死んじゃってる親に愛されたいとか、認められたいとか。
何かを実現したいとか。
そういうのが役によってある中で、自分の役は人生で何を達成したいのかなと考えることが座キューピーマジックの役づくりの1個目の考え方です。
しっかりしていますね。
演技論的にはやっているんじゃないですかね?
僕も考え直さなきゃなって思いました。
(笑)
ちなみに9-Statesは、劇団立ち上げ当初、「退屈しない空間づくり」というテーマを掲げてきたので、シーンをどう持たせるのかを大事にしています。
キャラクターのバックボーンは大事だと思うんですけど、意外と主役以外書かれていないじゃないですか。
主役は過去のエピソードがあったり感情ラインがしっかり描かれているので、縛りが強いと思うんですけど、サブキャラってそれがないので、自由と言えば自由で。
やりたい放題ですよね。
座キューピーマジックさんの場合は、それを先に決めるってことですよね。
そうですね。けどそれは自分勝手に決めたら意味がなくて、台本に登場しているってことは、意味があって存在して居るので、例えば、自分がサブキャラだとしてメインキャラクターとの人間関係の中で、どういうWANTが生まれているのか考えて、逆算しています。
9-Statesだと、例えば、ジャイアンがいて、スネ夫がいて、ジャイアンがいると、ジャイアンが2人いるんで殺し合うんですよね。
!?
それはそれで面白いんですけど、同じキャラクターを持ってくると、生きなくなってしまうので、ゴレンジャーみたいにバランスをとりながらやっています。
僕の場合、世界観が同じであれば、芝居の質に関しては、こだわりはありません。
日常社会でも声がデカい奴もいれば、小さい奴もいるし、1つの演技パターンでやると、どうしても小さくなるので、最初は好きにやってもらって、最後にちょっと調節するのが演出だと思っています。
だから、僕は教えるのが下手くそなんです。
稽古をするにも、「先ずは何やりたい?」、「どんな風にやりたい?」というところから始まって、「じゃあ、こうすると良いよね」みたいな、後出しの演出が多いので、最初から「これやってください」というのは言いません。
なので、他の劇団と比べると、仕上がりがいつも遅いかもしれません。
でも割とそういう演出家さんとか監督さんの方がメジャーな気がしますよ。
僕は、この方法しか知らないので、勉強しようと、この間ライオンパーマという劇団の稽古場を見に行ってきました。
おお! どうでした?
そんな変わらないかもなって。
(笑)
勿論、学びも多かったんですけど、基本はこんな感じなんだろうなと思いましたね。
他にも色んな稽古場を拝見したいんですけど、勇気が必要ですね。
メチャクチャ緊張します。
知らない演出家がいきなり稽古場に来て、「誰アイツ?」みたいな感じで、みんな気を遣うので、主宰のチャーさん(※加藤岳仁さん)には本当に悪いことをしたなと思っています。

