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今回は9-States看板女優の板本こっこさんとの対談です。
コッコがオジさんだらけのユニットに入った理由や思い出に残っている公演など今年20周年を迎える9-Statesを一緒に振り返ります。
お楽しみに。

中村太陽
今回の対談は、板本先生です。
板本こっこ
よろしくお願いします。
中村太陽
まずは、ご結婚おめでとうございます。
 
板本こっこ

とんでもないです。
ありがとうございます。

中村太陽
生活は変わりましたか?
 
板本こっこ
何も変わってないです。
中村太陽
板本先生に訊きたいことを考えて来たんだけど、考えてみたら、あんまり9-Statesに入る前のことを知らないなと思って。お芝居を始めたキッカケは?
 
板本こっこ
高校生の時、大学に進学をしようと思ったんですけど、勉強するのが嫌になったんで専門学校に行きました。
そしたら色んな学部があって、そこに「声優・俳優科」っていうのがあったんですよ。今まで触れたことないし、面白そうと思って行っちゃったんですよね。そしたら、こんなんなっちゃいました。
中村太陽
(笑)。
 
板本こっこ
専門学校で2年間学んだあとは、演劇集団『円』の研究所に行って。
そこで2年通うことができて、最終的にその最終選考で劇団には残れなくて。
それで、外にほっぽり出されて。
中村太陽
い・い・か・た。
 
板本こっこ
(笑)。
そこで、どうしようか考えていた時に色々あって。
「なにクソ!」って気持ちになったんで、それで続けてやろうって。
中村太陽
その頃に受けたの? 

9-Statesのオーディション。
板本こっこ
『円』の研究所を出てからは、2年か3年くらい経ったくらいかな。
中村太陽
ウチを受けたのは何歳くらい?
板本こっこ
24ぐらいじゃないですか?
中村太陽
うわぁ〜。
あの頃は若かったぁ……みたいな。
板本こっこ
(笑)。
中村太陽
それじゃあ、9-Statesの舞台に参加して6年、7年ぐらいってこと?
劇団に入って5年とか?
板本こっこ
多分。
中村太陽
9-Statesの作品に参加してから劇団員になるのが早かったよね。
多分、板本先生がウチで一番早いと思う。
初期メンバーはおいといて、原則ウチの作品に3回は出ないと、劇団員にしなかったんだけど、板本は2回目くらいに誘ったもんね。
板本こっこ
その時のこと、すごい覚えてますよ。
太陽さんが本番期間中に「劇場に入る前にご飯を食べよう」って誘ってくれた時があって。
多分、それ系の話をしようとしていたんだと思うんですよ。
「ウチに興味ある?」みたいな。
でもその時、違う人たちと先にご飯を食べる約束をしてて、「太陽さんも来ればいいじゃないですか?」って言っちゃって。
太陽さん来てくれたんですけど、なんか気まずい感じになっちゃって。
中村太陽
「俺、何しに行ったんだろう……」って思いながら、帰ったと思う。
板本こっこ
あの時は、申し訳なかったなって。
中村太陽
そのあと話して、1つ公演をやってから9-Statesのメンバーになったんだよね。
板本こっこ
トリレンマの時です。
(仮)みたいな感じで。
中村太陽
けど、なんで入ろうって思ったの?
当時からオッサンばっかじゃん。
よく入ろうと思ったね。
板本こっこ
私、やるならココしかないって思っていました。
中村太陽
ウソ〜!
板本こっこ
マジです。
中村太陽
最初オーディションに来た時、そんな印象的でもなかったけど、参加が決まって集中稽古みたいになってから、一気に主張してきたじゃない?
言い方は違うかもしれないけど、演出に対して、すごい喧嘩腰でお芝居するなって。
それが印象的で、面白かった。
板本こっこ
ヘェ〜、良かった。
面白いって思ってもらえて。
中村太陽
当時、淳くん(※瀬畠淳)の主演作品で、板本と二人だけで話すシーンがあった時に、完全に淳くんを食いにいってたもんね。
板本こっこ
それは、そういうシーンだと思ったからです。
中村太陽
淳くん、ずっと出突っ張りで、多分、板本のところで休もうって思ってたんだよね。
普通の会話で。
そしたら、ものスゴい勢いで来たからさ。
板本こっこ
かわいそう、淳さん。
中村太陽
だから稽古後、淳くんに「オーディションの子に食われてたよ」って言ったら、淳くん次の稽古の時にエンジン2つぐらい上げてきて。
板本こっこ
それ、覚えてます。
中村太陽
そっちがその気なら、こっちだって、みたいな。
板本こっこ
(笑)。
中村太陽
化学反応っていうのかな?
それ見て「じゃあそっちで作ろう」ってなって。
暇があったら、稽古入れてましたね。
板本こっこ
メチャクチャ稽古やらされるなって思ってました。
中村太陽
確か、その次の公演も直ぐに声を掛けたよね。
吉﨑くんが書いた「一尺玉の大砲」で、ちょっとヒロイン的なポジションのヤツを当てて。
それも、淳くんと板本のシーンばっかり稽古したよね。
板本こっこ
やってましたね。
中村太陽
あの時と比べて、どう?
役者として変わった?
板本こっこ
だいぶ違います。意識して違うと思う。
中村太陽
どんなこと意識してるの?
板本こっこ
今は……スライム。
中村太陽
……ん?
板本こっこ
(笑)。
中村太陽
もうちょっと分かり易く。
板本こっこ
抽象的な言い方しかできないけど、むかしはガチガチの泥団子を、ツルツルになるまで磨いて、ピカピカにする人になりたかったんです。
ツルツルピカピカで、もうこれ以上、何もできないような泥団子を私は作りたかったんです。
けど今はビヨーン、みたいな(照)
中村太陽
ビヨーン?
板本こっこ
「そこ麒麟になって」と言われたら、「はい麒麟」。
「はいそこ、麒麟じゃなくていいよビヨーン」、みたいな……感じ?
 ……説明が難しいな。
中村太陽
うんうん、言わんとしていることは分かるよ。
因みに、どうしてそういう思考の変化に至ったの?
板本こっこ
そうじゃないと通用しないと思ったから。
若い時は、経験も浅いから自分の理想を求めてやってる方が強いと思ったんです。
若いうちは、「私はこうなんです」と、ちゃんと提示して、それでやった方がいいと思うんですよ。
それで、「こうするとこう見えるよ」って、相手から言われた言葉は、ちゃんと聞いて頭に入れておくんです。
で、あるとき、もう自分はそういう歳じゃないって思った瞬間、全部それをパンって割って、今までもらった情報とか演出とか知識を全部、ウニョンとして、スライムを作ったんです。
中村太陽
!!!
果たして、
中村太陽は板本こっこの話についていけるのか……!?
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