
演出家を長く続けると人を見続けるせいか、いつの間にか人を理解した気にはなれます。
アイツは、ああだろうな。
コイツは、こうだろうなと。
大きな勘違いです。
ただただ、経験則という便利な言葉を使って、人を分類しているだけです。
ところが最近。どうにも、その精度が怪しくなってきました。
長い付き合いの相手ですら、「そんなこと考えていたの?」と思うことばかりです。
つまり、どういうことかというと。
そもそも経験則として使っていた物差しの尺が間違っていた可能性が高いのです。
いや、でも……
最初のほうは上手くやれていたような気もするような……
なるほど、考えてみれば当たり前の話です。
人は変わるのです。
昨日のオイラと今日のオイラですら微妙に違います。
それなのに、一年前のあの人はこうだったから。
十年前のアイツはそうだったから。
そんな理由で、勝手に答えを決めつけているのです。
そして厄介なことに、たまに当たります。
当たるから困るのです。
三回も当たれば確定のハンコを押してしまうオイラです。
相手は毎日変化しているかもしれないのにね。
なぜかって?
思い出してください、オイラはすぐサボるのです。
楽を覚えると楽なほうに楽なほうに流されていく人種なのです。
理解するより、理解したことにしてしまうのです。
わかってはいるのです。