『太陽のお歌詩箱』第5弾
今回の楽曲は『鬼が笑って、私が泣いた、七月七日』
一年に一度のロマンティックに、誰もが笑えるわけじゃない。
誰にも気づかれずに泣いた、七月七日。
それは“感情のバグ”を探すような一日だった。
「やめればいいのに、やめれない」
「分かっているのに、わからない」
そんな言葉が、ポップなメロディに乗って、 まるで“心のエラー音”みたいに響いてくる。
短冊に願ったのは、誰かの幸せじゃなくて、 「また来年、同じように笑えますように」
『鬼が笑って、私が泣いた、七月七日』の“バグ探し”へ。
太陽のお歌詩箱は、今月も揺れています。

『鬼が笑って、私が泣いた、七月七日』
七月七日 いつもの駅
改札を出ても 知ってる顔は誰もいない
来るはずもないアナタに笑顔を見せて
誰にも気づかれずに
今日を終わらせようとしてみたんだ
一年に一回のロマンティックなんて
他人事だからだよ
また来年 嬉しさよりも
切なさだけのプレゼント
短冊に自分のことを願ってはいけない気がして
「また来年、同じように笑えますように」
って書いてみたら 笑えなかった
やめればいいのに やめれない
分かっているのに わからない
バグった? どこでバグった?
愛されるって なんだっけ?
また来年 絶対に笑えますように
だから今 誰にも気づかれずに
泣いたんだ
七月七日 違う駅
改札を出たら 思い出ばかりが出迎える
来るはずもないアナタの理由を探し
綺麗ごとで埋めてみた
今日を終わらせようと覚悟を決めて
一年に一回のロマンティックなんて
それはもはや他人 また来年
嬉しさよりも絶望だけのプレゼント
短冊にアナタのことを願ってはいけない気がして
「また来年、同じように笑えますように」
って書いてみたら 鬼が笑った
忘れたいのに 忘れない
置いてきたはずなのに まだ痛い
どこでバグった?
愛してたって なんだっけ?
会えない時間が僕等を育てる?
等(ら)、等(ら)、等(ら)って誰の都合?
待ってる時間が僕等をためす?
等(ら)、等(ら)、等(ら)って誰の試練?
アナタだけが どんどん 遠くなる
なのに どうしてまだ 好きなんだろう
ああ、きっとバグってる
また来年 絶対に笑えますように
だから今 サヨナラって言ったら
笑えたんだ
では、歌詞を書いた中村太陽からのコメントです。
『七夕の曲が、9月に出来上がってビックリしてます』
まさかの文句っ。
もちろん、予定通りに行かないのがナインステイツ魂です。
演劇だって、冬に夏の話をしたりもするんです。そういうもんです。
季節も感情も、ズレてるくらいがちょうどいい。
“今”に間に合わなかった言葉たちが、 ちょっと遅れて届くことで、 むしろ本音に近づくこともあるハズです。
『鬼が笑って、私が泣いた、七月七日』は、 そんな“ズレ”の中で生まれた曲です。
歌詞を書いた人がそれを解っていないなんて笑えてきますね。
でも、それこそが“ズレ”の美しさ。 自分で書いた言葉に、自分が一番遅れて気づく。
それって、創作の魔法みたいなものかもしれませんね。
さて、来月はどんな“歌詞”が届くんでしょう?
来月もお楽しみにっ。
