

今までお芝居をやられている中で、最も窮地に立たされたことは?

あたし、実はね、すっごい考えたんだけど、あんまないんだよね。
ってか、面白くない。
舞台上で頭真っ白になったくらいだもん。

私は相手役が台本を3ページ吹っ飛ばした時だね。

それ窮地だね。

しかも、二人だけシーンなんだけど、他に二人、二人の合計3グループがあって。
で、全然違う場面の人たちだから、誰も助け舟が出せないの。
舞台上で野球のチームになっているやつ。

それ観た!

それは、結局どうなったんですか?

それが、その相手役の人が3ページ飛ばしたことを気づいていないですよ。
しかも、その3ページの中に、オチの伏線があったんです。
これを言わないと、この物語、絶対に落ちない!ってなった時、舞台上にいた相手役以外のキャスト全員、頭禿げるじゃないかって。
その時は、時間が永遠に感じました。

で? 結局どうなったの?

だから、みんなで凄い目でアイコンタクトを送ろうとするんだけど、設定上、空間が違うから見ちゃいけなくて、だから————

オチ言えやぁ!

(笑)

長えんだよ!

(笑)

さっきから言ってるでしょ! せっかく、「どうなったんですか?」って手助けしたのに、そこからまた詳しく話すから!

結局、その人が、なんとなく気づいたらしくて、また3ページ戻って、繰り返されて。

まあ、戻ったんなら……。

でもその時、他の人たちも「俺たち入った方がいいのかな?」みたいのがあって。あの時の舞台上の緊張感は凄かった。

やっぱり僕は、黒崎さん大好き。

え? 何?

もうこれは文字で伝わらないかもしれないけど、表現力が凄い。
言葉の圧が、今までの対談の中で一番強い。
ちなみに初めてウチに出て、4回連続で出演オファーする女優さんて他にいないんですよ。

あ、ありがとうございます……。

僕が大好きだからオファーしてるんですけど、やっぱり凄い。

華もあるしね。

根に持ってるね〜。(笑)

私、一生言うからね。
マジで。

華しかないのにねぇ。

そうだよ。
華しかないのにさぁ。

(苦笑)いやぁ、少しでも本音を言うと、こうなるんだなぁ。
お口にチャックしないとなぁ。