
お芝居とは何だろう。
ずんこさんを見ていると、ふと、そう思うことがあります。


リアルではなく、限りなくリアリティに近い。
作り物なのに、作り物ではないように見える。
お芝居なんて所詮は作り物なのに、そこに“本当”を感じてしまう瞬間がある。


ずんこさんの芝居を見ていると、
舞台上のリアルって、きっとこういうことなんだろうなと思うことが多々あります。
喋っていても、喋っていなくても、
舞台上で“生きる”とはこういうことだと教えてくれる人です。
きっと、正直な人なんだと思います。
舞台上で嘘がつけない人なんだと思います。
だから、無理をしないで頑張ることができる。


9-Statesの中では「頑張らないことを頑張る」という、
諺のような言葉がよく使われますが、
無理をしないで頑張れるのは、ずんこさんくらいです。


今回は、工場勤務45年を終えた生徒。
定年後に「自由とは何か」を考える日清を演じてもらいました。
ずんこさんならではの、スッと出てくる台詞。
「自由ってなんですか?」
その一言が、まるで水滴が落ちるように、静かに、深く響きました。
リアリティがあるからこそ、言葉が飾らずに届く。
長い時間を生きてきた人の重さと、そこから解き放たれようとする軽さ。
その両方を、ずんこさんは自然に立ち上げてくれました。


日清という役の“余白”を埋めるのではなく、
そのままの形でそっと置いていくような芝居。
だからこそ、観客の心に静かに沈んでいくものがありました。
少しの間、お芝居をお休みになるそうですが、
復帰の舞台は、ぜひまたウチでお願いしたいと思っています。

