そこそこ、なのです。

全然“とんがって”ないのです。

そこそこの特技って、
ある意味、特技じゃないからね。

馬鹿みたいな芸と才能を持ち合わせた人が集まる世界。
それが芸能界です。

だけど、オイラは、
そんな馬鹿みたいに“とんがった才能”なんて
持ち合わせていなかったのです。

昔、出会った、
才能に溢れ、世間をにぎやかす作家や演出家は、
まあ、意味わからないくらい、とんがってましたよ。

オイラなんかじゃ、
まったく思いつかないような発想ばかりで、
その人たちの“とんがった部分”を、
オイラはせっせとマネしました。

なんつっても、オイラにとっては、
“そこそこにマネすること”自体は、
わりと容易だからね。

えっへん。

でもね。

オイラが見ている景色と、
高みにいる人たちが見ている景色は、
おそらく違うんだろうな、って思ったりもしたのです。

だから、
その“本物の景色”を見てみたいと、
強く憧れたのかもしれません。

しかし、
悲しいかな、努力だけじゃ、
頂上まで登れない山は存在するのです。

自分自身の持ち物検査は、
しっかりやることをお勧めします。

生まれた時に与えられる登山道具なんて、
平等ではないことが実感できます。

オイラが持っているテントでは、
7合目までが限界でした。

なんてこったい。

頂上では雨風なんて防げません。
なんと不平等なのでしょう。

ただ、テント無しで登ってもいいそうです。

自分がどこまで登るのかは、自由です。

よかった、よかった、
権利は平等にある世界でした。

そして、オイラは、
6合目を生業にすることにしたのでした。

ちゃんちゃん……

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